1. 漏れ原因を特定または推定できる可能性がある
オイルシールの現品調査を行うことによって、調査品が密封性能を維持した状態か、または密封性能が低下している状態なのかを推定することができます。
実機で漏れが発生した場合、そのオイルシールを送付いただくことで、オイルシールメーカーの研究部/品質保証部と同様の視点で、漏れ原因の見解・考察を提示させていただきます。
※オイルシールメーカーの技術部で、約14年間にわたり研究開発に携わってきた当方の知識・経験を基に、オイルシールの漏れ要因に当てはまる項目がないかを調査いたします。
尚、基本的な調査項目は以下となります。
調査1:外観調査
外観調査によって、オイルシールの変形・損傷および外周部の圧入異常などを調査します。
オイルシールの変形・損傷がリップ部にまで及んでいる場合は、リップしゅう動面の詳細調査を行うことで、同変形・損傷が実機運転終了後に発生したものなのか、それとも実機運転時には既に発生していたものなのかを推定することができます。仮に、実機運転時には既に変形・損傷が発生していたと推定される場合は、これらが漏れ原因に直結するため、変形・損傷の発生原因について深掘り調査を行っていきます。
調査2:リップ内径寸法
リップ内径寸法を測定することによって、リップの残留しめしろを調査します。
実機における偏心量の情報を基に、リップとして密封性能を維持することができる必要最低しめしろを有しているか判断します。必要最低しめしろを下回っている、または近づいている場合は、しめしろ低下が漏れ原因と推定されるため、しめしろ低下の発生原因について深掘り調査を行っていきます。
また、ユニットよりオイルシールを取り出す際、シールが変形してしまう場合は、ユニットごと送付いただいても問題ありません(ユニットに圧入された状態でリップ内径寸法を調査します)。
調査3:リップしゅう動面観察・撮影
リップしゅう動面を観察することによって、漏れ原因となる異常モードの有無を調査します。オイルシールに関するノウハウ・知見を最も必要とする調査項目が、この『リップしゅう動面調査』です。
わずかに痕跡のあるリップしゅう動面の異常モードを発見するとともに、多種多様に存在する異常モードの見極めを行います。一例として、条痕/クラック/面あれ/ブリスタ/スティックスリップ痕などがあります。漏れ原因と推定される異常モードを発生した場合は、同異常モードの発生原因について深掘り調査を行っていきます。
また、リップしゅう動面の撮影も行いますので、異常モードの拡大写真を報告書にまとめて提示いたします。
特に、スティックスリップ痕についてはオイルシールに関する深い専門知識が無ければ発見は困難であり、痕跡を発見することができれば漏れ原因の推定~対策までの近道となることが多いです。
調査4:リップ摩耗幅
リップ摩耗幅を測定することによって、リップの摩耗形態における異常有無を調査します。
異常と判断する摩耗形態の代表例として、リップの摩耗幅大/偏摩耗などがあります。これら摩耗形態が認められた場合は、発生原因について深掘り調査を行っていきます。
調査5:リップ硬化状態
リップ硬化状態を調査することによって、リップの偏心追随性有無を推定します。
硬化進行のパターンとして、リップ先端のみが硬化傾向にある場合やリップ全体が硬化傾向にある場合があり、リップとして偏心追随性を維持できる状態か、それとも低下している状態かを考察・推定します。リップ硬化が進行している場合は、硬化原因について深掘り調査を行っていきます。
調査6:調査結果まとめ/考察
上記(1)~(5)の調査結果より、オイルシールの密封性能有無や漏れ原因などを総合判断します。総合判断として、密封性能が低下している状態であったり、何らかの異常点が認められた場合には、それらが発生した原因についても考察を行い、調査レポートにまとめて見解をご報告いたします。
参考までに、オイルシールの漏れ要因をまとめた記事をご紹介します。
【記事】【メーカー研究者執筆】オイルシール漏れ要因まとめ – MOKUオイルシール
2. 率直な調査結果をご報告できる
オイルシールメーカーにて現品調査を実施した場合、メーカー側の諸事情を勘案した調査結果の見解・考察となることがあります(言い方を変えると、必要最低限の見解・考察しか出さないことがあります)。
MOKUオイルシールでは、オイルシールのメーカーを問わずありのまま率直な調査結果をご報告いたします(些細な問題点や気づいたことは全てご報告します)。これは調査依頼をされるお客様にとって、大きいメリットであると考えています。
3. 調査報告後にも必要に応じてフォローします
調査レポート提出後におきまして、お客様での状況の進展があったり、新たな情報が出てきた場合などには、必要に応じて追加見解を出すなどのフォローをいたします。
お客様では市場漏れなどのトラブルを抱えていることが多いため、問題解決への近道となるよう、オイルシールの専門知識を活用して最大限にご協力をさせていただきます。
